●カブのディスクブレーキ化(フロント/2001年、リア/2006年)


現在の「しばやんカブ」は、フロントをテレスコ化し、前後をディスクブレーキ化しています。
今でこそ、カブのフロントのテレスコピック&ディスクブレーキ化は、それほど珍しくなくなりましたが、私が実施した2001年(平成13年)当時は、まだまだ少数派でした。
今思えば、2001年11月の東京青山のカフェカブパーティ、2002年8月の鈴鹿4miniパラダイスでも、珍しがられていました。



当時、度々メールで問合せもいただいておりました。
先日、パソコンのデータを整理していた際、当時その返事として使っていたファイルを見つけましたので、当時のものに手を入れ、「記録」という意味で掲載します。



カブのフロントディスクブレーキ化について
 〜RZ50フロント廻り流用〜



カブはご存知のとおり、フロントサスペンションがボトムリンク式で、制動を掛けると沈み込むのではなく、浮き上がります。
これは、「カブ」の「カブ然」たる特徴でもあります。

私のカブは1999年式のC90DXなので、従来型よりもフロントブレーキパネルが大径になっている(110mm→130mm)とは言え、ディスク化したモンキーから乗り換えた私としては、制動力&挙動がどうも「シックリしない感じ」が拭えませんでした。

そこで、フロントフォークをボトムリンク式からテレスコピック式に変更すると同時にディスクブレーキ化を計画しました。
計画実行にあたっては、「純正流用」を原則として、ノーマルと同様の「17インチスポークホイル」、「レッグシールド取付」を前提に進めました。



1 流用車種選定

「17インチスポーク」&「ディスクブレーキ」の車種としては、CB50JX(機械式)、CB50S(油圧式)、新型ヤマハRZ50が候補となります。
フォーク径等、種々検討し、「現行車種であること」&「ブレーキ性能」を考え、現行のRZ50から流用することに決定しました。


現在では、ドリーム50、NICE、WAVE等が選択肢に加わるところでしょう。
既に多くの方々がカブのディスクブレーキ化を実践されており、いろんなサイトで詳細な比較検証が掲載されていますね。
でも、RZ50流用って、やっぱり少数派?


2 部品調達

計画実行に際して準備した主なモノは次のとおり。
   @ RZ50フロント廻り一式/ネットオークションで入手
      (フォーク、キャリパー、前輪、スピードメーターギア、マスターシリンダー等)
   A CD90純正ステム
   B CD50・90用トップブリッジ(アルミ製)/キジマ製(現在廃番)
   C 22.2mmハンドル/倉庫にあったもので車種不明
   D 延長スピードメーターケーブル/ハリケーン製
   E 郵政カブ用レッグシールド
   F その他/バンドルグリップ、ステンメッシュホース他


3 組込作業

(1)前輪組込
カブのフレームに準備したステム&トップブリッジを組み、フォークを取り付けるところまでは、何の問題もありません。
問題は、CD90のステム間隔にRZ50の前輪を組み込むことにあるのです。
      CD90(ドラム)< ステム幅 < RZ50(ディスク)
そう、ドラムブレーキ仕様のステム幅にディスクブレーキを組み込まなければならないのです。
具体的かつ単純な対応策として、カラー、スピードメーターギアを削り、かつタイヤ&ディスクセンターを出すんです。

  「解−削−組−確」の行程を結果が出るまで、繰り返します。
実際、相当削る必要がありましたが、何とかタイヤ&ディスクセンターも出ました。
今思えば無謀ですね。今ならネットで各種情報を得るものなのでしょうが、当時はそんな手段も乏しく、「まっいっか、やっちゃえ」的なノリだったのでしょうか?
結果的に成功したから良いようなものを・・・・


(2)ハンドル&マスターシリンダー取付

「テレスコ化=バーハン化」という公式があるみたいに、テレスコ化したカブはバーハン化されています。
って、バーハン以外、見たことありませんでした。
私は、ノーマル然としたいので、ステムのトップにドリルで穴を開け、ノーマルのフォークトップブリッジを組み付けました。
必然的にハンドルの位置が高くなりますが、殿様座りのカブではさほど大きな問題ではありません。

問題は、ハンドル径です。
カブDXのハンドル径は19mmで、一般的なバイクの22.2mmからすると細いので、RZ50のマスターシリンダー取付には工夫が必要です。
私が選んだ対処方法は、ズバリ「ノーマルハンドルをブッた切って加工・整形し、適当な長さの22.2mmのハンドルパイブを叩き込んで溶接」というものでした。
ハンドル幅はノーマル660mmに対し00mmと00mm広くなりましたが、無事にマスターシリンダーも取り付けられました。


(3)その他の作業

  @ 「延長スピードメーターケーブルの取付」/ノーマルケーブルを延長
  A 「郵政カブレッグシールドの取付」/現物あわせでフレームネック部分取付穴を新設
  B 「NSR50の集中スイッチを加工流用」/カプラを配線し直して左ハンドルに取付
  C 「フロントフェンダー加工」/干渉部分を切落とし、ステーを利用してフォークに取付
  D 「サイドスタンド加工」/テーブルアジャスターを加工して取付け、傾き過多を解消

これで、カブの特徴である「ボトムリンク」と「右スイッチ」を同時に失うこととなり、カタギのカブではなくなりました。

その後、2万キロ以上を走行していますが、特に不具合無く機能してくれています。
また、2006年には、リアもディスクブレーキ化してしまいました。




2006年のリアのディスク化については、次を参照してくださいね。

      ●あり得ないものが・・/H18.11.29(水)

      ●やっぱり右べダル/H18.12.03(日)

      ●リアマスター交換/H19.04.14(日)



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