●カブ軍団 FAQ/2002年公開


私がカブに乗り始めた頃に加入した「カブ軍団」。
その活動の拠点は関東が中心でしたが、当時のスタッフの方々にとても親しくしていただき、2001年の青山でのカフェカブパーティーにも一緒に参加しました。
また、「カブ軍団」には全国各地から多数の方がメンバー登録していましたが、残念ながら現在ホームページは閉鎖されています。
その中に「FAQ」の頁があり、当時は今ほどカブ関係のサイトは少なく、カブに関する情報としては貴重なものでした。
カブ軍団ホームページ閉鎖とともにこれを埋もれさせることは非常に忍びなく、当サイトに掲載したいとの思いから当時のホームページ管理人&スタッフの方に連絡したところ、快諾していただきました。
現在は、アフターパーツも豊富で掲載内容と食い違う点もいつくかありますが、2002年当時の内容としてご覧下さい。
数多くのカブ乗りのカブライフが楽しいものとなることを祈念します。


掲載内容に関する注意事項
  ・2002年当時の「カブ軍団」スタッフの経験等に基づいて独自に編集したものである。
  ・公開当時の内容をそのまま掲載している。
  ・掲載にあたっては、当時の管理人&スタッフの了解を得ている。
  ・掲載内容の転用、転載を禁止する。
  ・掲載内容に関する疑義、質疑に関して当サイト管理人は応じない。
  ・誤字・脱字、明らかなる誤記、安全運行に支障がある内容については、管理人までご連絡ください。


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                                         【2002年6月23日公開】

カブ軍団 FAQ について

本ページは「カブ軍団BBS」に良く寄せられる質問をQ&A形式で、カブ軍団スタッフが編集・執筆したものです。
各人が自ら行う作業・加工に関しては最低限必要な工具、ある程度の知識・経験があることを前提にしてあります。
またサービスマニュアルで解決するような作業工程や、パーツリストやメーカーカタログ、メーカーHP等で調べられる品番等の記載は、一部を除いて省きました。
「慣れない」または「未経験」の作業・加工に関しては充分注意された上、出来れば詳しい友人や先輩、ショップのスタッフ等のアドバイス、指導と共に作業を行ってください。
この内容を読み、実際に作業もしくは車両に手を加える際は、全て個人の責任で行うこととし、不具合もしくは重大な事故に繋がる事が生じても、当ホームページ、管理人及びカブ軍団スタッフは、責任を負いかねますので、ご承知おきください。
初心者にはわかり辛いと言われるサービスマニュアル(以下、「SM」)ですが、少なくとも自分でメンテナンスやカスタムを志す方なら、パーツリスト(以下、「PL」)と併せて備えておくべきだと考えます。
FAQメニュー

                                          項目↓をクリックすると当該部分にリンクします。

(1)基本メンテナンス編
  1−1 必要な工具
  1−2 オイル交換
  1−3 チェーン調整

(2)エンジン編
  2−1 ボアアップって?
  2−2 カムシャフト
  2−3 4速化
  2−4 クラッチ交換
  2−5 強化カムチェーン
  2−6 強化クラッチスプリング
  2−7 オイルクーラー
  2−8 フライホイール軽量化



(3)吸排気編
  3−1 マフラー
  3−2 キャブレター
  3−3 キャブセッティング
  3−4 パワーフィルター
  3−5 マニホールド
  3−6 ハイスロ

(4)足周り・制動編
  4−1 タイヤ
  4−2 スプロケット
  4−3 ドライブチェーン
  4−4 リアサスペンション
  4−5 ブレーキ強化




(5)電 装 編
  5−1 プラグ&コード&コイル
  5−2 アーシング
  5−3 CDI
  5−4 配線の色
  5−5 ライトが暗い
  5−6 バッテリーレス化?

(6)外 装 編
  6−1 自分で塗装は出来る?
  6−2 シート
  6−3 バーハン化

(7)実 用 編
  7−1 積載力アップ



(1)基本メンテナンス編

 1−1 必要な工具
一言で「必要な工具」と言っても、その人それぞれの作業レベルに合った工具を持てば良いでしょう。
ここでは、カブの一般整備作業に必要な工具を挙げておきます。
ホームセンター等で「セットで980円」みたいな工具は「全く使えない。」とは言いませんが、ネジ舐めや破損の原因となることもありますので、ご注意下さい。

  ○ 8mm〜19mmのメガネレンチ
  ○ 8mm〜14mmのオープンスパナ
  ○ 8・10・12・14mmのTレンチ
  ○ 1/4ラチェットハンドルに6mm〜12mmのソケット、ドライバービット
  ○ 3/8ラチェットハンドルに8mm〜19mmのディープソケット
  ○ 1/2ハンドルにエクステンション、19mm、23mmのソケット
  ○ クラッチ用ロックナットレンチ
  ○ プラス、マイナスのドライバー(各1番〜3番)
  ○ タペット調整用9mmオープンレンチかメガネレンチ
  ○ M2〜M8のヘキサゴンレンチ
  ○ インパクトドライバー
  ○ プラグレンチ
  ○ プラスチックハンマー
  ○ タイヤレバー
  ○ ニップルレンチ
  ○ プライヤー、ニードルノーズ、バイスクリップ、サークリップペンチ等
  ○ 電工ペンチ、ギボシ、ファストン端子等電装用工具
また、少々高額ですが各部を適正トルクで締め付けるには、「トルクレンチ」が必要です。
他にも便利な工具はあげるとキリがないので、この程度にしておきます。

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 1−2 オイル交換
4サイクルエンジンにとって、エンジンオイルは、人間の体に例えるなら血液のような生命線とも言われています。
カブといえども、4サイクルエンジンを搭載した二輪車ですから、定期的な点検・交換は欠かせません。
SMによると、カブのエンジンオイルの交換は、初回1,000km、以後3,000km毎となっていますが、使用状況や乗り方によりオイルの劣化スピードは変わってきますので、マニュアルの交換サイクルにあまりこだわらず、その時々の劣化の状況に応じた早め早めの交換をお勧めします。
また、たとえ距離を走っていない場合、交換後長期間経過したオイルは汚れていなくても徐々に酸化、劣化していきますので、半年〜1年位を目安に交換が望ましでしょう。

オイル交換の方法は、
 @ 暖気運転をしてオイルを暖めてエンジン停止後、ドレンボルトを外して排出。
 A ある程度時間を置き、ドレンボルトを締めた後に、新しいオイル注入する。
というが一般的ですが、もう少し手間をかけることでより完璧なオイル交換が可能になります。
その「もう少しの手間」とは・・・
オイルがある程度排出された後に、キックペダルを数回キック(イグニッションはOFF)して、エンジン内に残ったオイルを循環させて抜くことができます。(これはSMにも記載されています。)
更に、車体を進行方向右側に大きく傾けることによりクランクケースの構造上、オイルパンに溜まった抜けきれないオイルを排出させることが出来ます。(カブを倒さないように十分注意のこと。)
傾けては起こし、また暫らく時間をおいて同様の作業を繰り返すことにより、かなりオイルが抜けてくれます。
この作業を行う際は、メインスタンドは外して、サイドスタンドを使う方が安全でしょう。
新しいオイルは、0.6L前後を注入することになりますが、あくまで目安で最終的にはオイルレベルゲージでの確認が必要です。
注入直後は、エンジン内にまったくオイルが回っていない状態ですので、空キックをしてオイルをなじませた後、一度オイルキャップを締めて、エンジンをかけて1〜2分アイドリングさせて、その後しばらく時間をおいてから、オイルレベルの確認をするのが良いでしょう。

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 1−3 チェーン調整
カブに純正で採用されているドライブチェーン(以下「チェーン」)は、メーカーのコストの制約からか、残念ながらグレードの低いものが装着されています。
乗り方にもよりますが、ある程度まめに調整してあげないと、どんどん伸びてしまい、酷くなるとチェーンカバーに干渉して、ガチャガチャと音がしてきます。
伸びてきたチェーンを後方に引くことによって調整することから、「チェーン引き」という呼び方をすることも多いです。
調整時はメインスタンドを立てて、ギアがニュートラルの状態で10〜20mmの遊びになるようにとSMには書かれていますが、この方法だとライダーの体重は考えていませんので、理想的には自分自身で跨り、車体が沈んだ状態で、若干の遊びがあるように調整するのがベストでしょう。
一人で行うのが難しければ、自分が跨り他の人にチェックしてもらえば、簡単に行えます。
また、チェーンの遊びは後輪をゆっくり手で回して、一番遊びが少ない箇所を探して、その場所で調整するようにします。
カブのチェーンカバーはフルカバーになっているので、他のバイクに較べると雨や埃に強いという長所はありますが、それでも調整時にチェーンオイルを注油してあげると、寿命も延びて経済的でもあります。

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(2)エンジン編

 2−1 
ボアアップ
カブ系のHPや雑誌には必ず登場するこの言葉「ボアアップ」。
文字通りピストンのボア(直径)をアップ(大きく)して、排気量を上げる構造変更です。
カブの場合、クランクのストロークの違いから50・70cc系(41.4mm)と90cc系(49.5mm)に分けて考えなければなりません。

●50・70cc系の場合
一般的なモンキー系ボアアップキットが、そのまま流用出来ます。
代表的な物に各社がリリースしている80cc、88ccキットなどがあります。
クランクもヘッドも交換しない「ノーマル対応型」から、全てをスペシャルパーツに交換してしまう「DOHC 124cc」まで千差万別。
ユーザーであるあなたの目的、予算に合わせてチョイスする事が出来ます。
純正流用では、50ccに70ccの腰上を組んでしまう方法もあります。

●90cc系の場合
50cc系よりクランクストローク&シリンダー長が長いことから、市販のモンキー系キットはそのまま使えません。
スペーサーを制作しシリンダーの長さを合わせて使う方法もありますが、予算的、技術的に折り合いが難しいでしょう。
純正流用系ではタイカブ(100EX/97cc)の純正シリンダーとピストンを流用する方法もあります。
アフターマーケットでは、SS−JUN製105ccキット、武川製タイカブ用113ccキット、124cc用シリンダー流用・・・・いくつか方法はあります。
ボアアップと共にクランクまで交換してしまう「ストロークアップ」という方法もあるのですが、腰下分解という作業が伴うことからビギナーには少々厳しいですが、スキルが伴えば、トライしてみると面白い作業です。

50cc系・90cc系を問わずボアアップする事により、それまで以上のパワーが出ます。
ところが、その分各所にかかる負荷が増大するのも事実です。
適正な各部強化、ギア比の変更、熱対策やオイルの選択、全体のバランス見直し、再セッティング等それに付随するワンランク上のメンテナンスと知識が必要になります。

最後に当然ですが、排気量を変更する際は排気量に適合したライセンス、ナンバープレート区分の変更が必要です。
手続を怠ったり、適合しないライセンスで公道を走行すると、法律違反になります。

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 2−2 カムシャフト
エンジンチューンにおいて、「ハイカムに交換」と言うことをよく聞きます。
バルブの開いてる時間を長くしたり、リフト量を多くしたりするものです。
長くなるので機構的なことは書きませんが、各社のリリースする「ハイカム」に交換することによりパワーが出たり、高回転型になったりトルク型になったりします。
よく「どのカムが高性能?」と言う質問を受けますが、カムも目的に合わせてプロフィールが多種多様で、各メーカー推奨の組み合わせ以外の使用だと自分のエンジンには「どれが合う」のか、バルブが干渉しないことを確認して、テストしてみる以外には方法が無いのかも知れません。
必ずしも、「高価なほど良い」、「レース用が高性能」と言うことはありません。
そのエンジンにとってのバランスが大切なのです。
現行の12V車は、50cc・90cc共通で、両側にベアリングの付いたタイプのみで、市販のモンキー系カムが使えます。
「50ccの純正エンジンに90ccの純正カムを入れる」程度でも違いは体感できると思います。
特に加工も必要としないので試してみてはいかがでしょうか。

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 2−3 4速化
50カスタム、セル付のリトルカブを除き、「カブ4速化」はかなりのオーナーの望むところではないでしょうか。
実際、多くの軍団員がその作業を行っているのも事実です。
コレにはいくつかの方法があり、どれを選ぶかはオーナーの技量、好み、予算との兼ね合いになるでしょう。

●タイカブ(100EX)ミッション流用
かなりポピュラーで耐久性もある方法です。
但し、この改造には90用のケース、タイカブのミッション1式、シフトアームやシフトドラム、二次クラッチ分のスペーサー制作等かなりの部品交換が必要になります。

●CD90ミッション流用
タイカブ流用法と近い方法になります。
相違点は、二次クラッチ取り付けの構造が違うため、タイカブミッション流用では必要となったスペーサーの部分をサークリップで止められますので、スペーサーの製作は必要ありません。4速のギア比が若干タイカブ系よりもクロスしています。
欠点(利点?)としては、走行中でも4速→Nに入ってしまいますので、注意が必要です。
タイカブ、CDどちらも、プライマリードリブンギアを固定する方法が、作業のポイントとなります。

●モンキーミッション流用
モンキーはミッション両シャフトのベアリング形状がニードルベアリングで、カブとは違うため、ケースもモンキーの物を使わなければなりません。
限りなく「エンジン積み替え」に近い作業で、1ダウン3アップのリターン操作となります。
社外品で豊富に揃うレーシングミッションの組み込みも可能です。

●4速カブミッション流用
50カスタムやセル付リトルカブの4速ミッションを流用する方法です。
もちろんそのままで使用も可能ですが、1速のカウンターギアや、2・3・4速のギアをタイカブの物やCDの物と組み合わせて、自分の乗りやすいギア比で組み上げることが可能です。
中古エンジンが入手できるなら比較的安価な4速化ではないでしょうか。

●社外メーカー品ミッション
武川からカブ用に5速ミッションが発売されています。

なお、これらの作業はクランクケースを完全に分解して行う必要があり、経験とある程度の技術が必要な作業です。
ご自分で行う際には特殊工具の用意、トルク管理はもちろん、ガスケットやノックピン、サークリップなどの使い回しは避け、整った作業環境で正しく行ってください。

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 2−4 クラッチ交換
この作業はインパクトドライバーやロックナットレンチ等、特殊な工具が必要であり、またカブの中では最大級のトルクで締め付ける必要があるため、安易な環境での作業はオススメできません。
「マイナスドライバーで叩けばOK」などという手法は緊急事態のみにして下さい。
準備するものとしては、クラッチ板、フリクションディスク、スプリング等交換部品と、各ガスケット・ノックピン、ロックワッシャー、ロックナット等の再利用しないことが望ましい消耗部品、それにエンジンオイルと専用工具です。
作業前には、必ず新品のクラッチ板をエンジンオイルに浸しておいてください。(乾いたまま走行すると焼きが入る可能性があります)
クラッチアウターカバーのプラスネジは、ナメやすいのでしっかりとサイズの適合したドライバーでの作業が必要です。
最悪はインパクトドライバーを使うことになるのですが、クランクシャフトエンドなので出来れば叩きたくない箇所です。
アウターのボルトは、組付けの際、必ず交換して下さい。
その際、ステンレスのヘキサボルトに交換するのも、今後の作業性を考えるとお勧めです。
作業手順はSMに準じます。

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 2−5 強化カムチェーン
ボアアップ等パワーを上げていくと気になる部分に、このカムチェーンがあります。
OHCエンジンにとっては命綱のような役割なので、強化はとても意味のあることだと思います。
もちろん、エンジンにはカムチェーンテンショナーも装備されているので、そう簡単にダメになることはないですが、腰上分解整備の際に「緩いな」もしくは「キンク症状(部分的な固着現象)」などの症状が見られたときは、純正で充分なので早めに交換するのが良いでしょう。
社外品で強化部品も各種出ていますが、このFAQ作成時点では、武川のDID製「ダイハード」というシリーズの評判が良いようです。
なお、クランクのストロークの違いから50・70cc(82コマ)と90cc(84コマ)で、コマ数が違うので、注意すること。

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 2−6 強化クラッチスプリング
パワーを上げていくとクラッチにも心配がでてきます。
50ccベースなら、90cc車両のクラッチ周りに交換してしまうのが、手軽な純正流用チューンでしょう。
カブの遠心クラッチはモンキーのそれよりもクラッチディスクとフリクションディスクの枚数が多いので、パワーアップによる滑りには強いのです。
90ccベースの場合は、社外品の強化クラッチスプリングに交換するのが一般的です。
SS−JUNからもリリースされていますが、これだけの交換でもかなりフィーリングが変わります。
シフト操作が少々固くなりますが、高回転まで引っ張ってシフトチェンジしても「ビシッ」と繋がる感じは特筆モノです。
他にもいろんな車種のクラッチスプリング流用を試してみるのも良いかと思います。
HONDAの小排気量のモノであれば廉価で買えるので、「現物合わせ」でも金銭的な負担は軽いこともあり、試してみる価値はあります。

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 2−7 オイルクーラー
ノーマルエンジンには必要ない物ですが、チューニングエンジンには必要不可欠なパーツです。
排気量アップや圧縮を上げるとエンジンは熱を持ちます。
当然オイルも高温になり、油膜切れを起こしたり、酸化が早まったり変質してしまったり・・・・とにかく適温以上の「高温」はオイル自身、エンジン本体にも悪影響が多いのです。
そのオイルを冷やすのにオイルクーラーが一役買うわけです。
ただし、闇雲に付けるのではなく、まずは自分の車両の「油温」を正確に把握し、次に自分の使うオイルの特性を知り、あくまでもそのオイルの「適温」に保つよう装着します。
冬場の「オーバークール」もエンジンにとっては過酷な状況だったりします。

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 2−8 フライホイール軽量化
スロットルのレスポンスを向上させるためにフライホイールの軽量化があります。
簡単に言うとクランクシャフトに付いている「おもり」を軽くして、よりスムーズに回してやろうというチューンです。
ただし、クランクには右側のクラッチと左側のフライホイールでバランスを取っているので、片側だけ異常に軽くするともそのバランスが崩れ、最悪「クランク破損」という事態も起こりうるので注意が必要です。
また、闇雲に軽くすると「トルク減少」という問題も発生するので、程々に・・・・が正解でしょう。
旋盤で加工できるのですが、実績のある加工屋さんに依頼するのが間違いありません。
モンキーレーサー等では、フライホイールをインナーローターに交換し、クラッチは2次側に移植してブン回すというのが一般的ですが、ゼロ発進の多い街乗りで、まして遠心クラッチの場合かなり乗りづらいモノになってしまいます。(電装関係も全く使えないので、かなり問題です)

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(3)吸排気編

 3−1 
マフラー
基本的にエンジン腰上は、モンキーと共通なので市販されているモンキー用が使えます。
ただし、センタースタンド、ステップ等が干渉する場合もあり「カブ用」という対応品を使うのが無難でしょう。
また、50・70ccと90ccでは、シリンダー長が6mm程違うことも考慮する必要があります。
よく、「どれが高性能ですか?」と言う質問がありますが、排気量、キャブレター、カム特性、使用目的によってまるで違う選択肢になるので、ここでは敢えて固有のメーカー名・製品名は挙げません。
選択の際は、数値のみを鵜呑みにせず、信頼できるショップやその道に詳しい人に相談するのが良いでしょう。
他にも、HONDA純正カブ90用(規制前)マフラーをステー加工したり、全くのワンオフで「自分だけの高性能マフラーを作る」なんて言う方法も良いかと思います。
但し製作には管長や太さ、パンチネットの形状、消音材のチョイス、排気の脈動など様々な専門知識が必要になります。

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 3−2 キャブレター
まず、大きな問題として「純正エアクリーナーボックスを使うか否か?」で二つに分かれます。

●純正エアクリーナーボックスを使う場合
使えるキャブはPB16・18、PC18、PC20あたりの比較的小型のキャブになります。
PC20というのがノーマル〜100ccぐらいまでで最もポピュラーな選択でしょうか。
セッティングも比較的容易に出せます。
PC系のキャブは、ノーマルエアクリのチューブの口径とキャブの口径が合わないため、変換スペーサーを使い対処することができます。
取り付けはカブ純正対応の「前だし」マニホールドを使います。

●純正エアクリーナーボックスを使わない場合
いわゆるモンキー系に使われている PC20、PE22・24・26・28、VM20・22・26、TM24、PWK28、CR26、FCR28等、大抵のモノは使えます。
80〜100ccオーバーには、PC20、PE22・24、TM24、VM26あたりがポピュラーです。
取付けはモンキー系全般の「右だし」or「左だし」マニホールドを使います。
しかし、カブにはレッグシールドがあります。
取り外すなら良いですが、付けたままならカットする等の工夫が必要となります。
また、フェンダーに当たらないところまで前に出すという方法もあります。
ただ、何につけ言えることは「バランス」です。
オーバーサイズ(スペック)のキャブレターはセッティングも難しく、場合によっては、性能ダウンする事もあります。
排気量、圧縮、カム、マフラー、ヘッド等、仕様全てを選択の条件に含んで、検討して下さい。

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 3−3 キャブセッティング
エンジン系のパーツを交換すると避けて通れないのがキャブセッティングです。
以下はその順序の一例です。
人それぞれ、使用回転数や目的によって順番は違うのでしょうが、信号が多く街乗りが中心場合は発進から中低速側重視のセッティング順序が良いでしょう。
「アイドルスクリューの位置?」や「エアスクリューって?」「ジェットってどこ?」と言う質問がありますが、冒頭に示したとおり、「SM」「PL」でその位置を確認してください。

 1.アイドリングの決定
 2.SJ(スロージェット)の決定
 3.ジェットニードルクリップ段数の決定
 4.ジェットニードルの決定
 5.MJ(メインジェット)の決定

●まず正しいアイドリング調整をし、エアスクリューより導かれるSJにてセッティングする。
エンジンを十分に暖機し、アイドリングの回転を3,000程度に上げてエアスクリューを調整。
全閉から少しずつ開けて、一番回転の高くなるところを探し出し、その位置から1/8程度戻す。
この時2回転半以上開けた状態の時はSJを1番手上げ、1回転半以内では逆に1番手下げる。
SJ交換後はエアスクリューを再調整する。

●パーシャルでのモタつきに関しては、ジェットニードル&ニードルジェットの領域です。
まずはクリップ位置(段数)の決定です。
息つきの症状なら濃い方に振り(クリップ段数が下げて、ニードルの位置を上げる)、ボコつきなら薄い方に振る(クリップ段数が上げて、ニードルの位置を下げる)。
たいてい5段階の調整があります。
しかしながら、この幅では調整できない場合もあります。
そういう場合はジェットニードル&ニードルジェットを交換します。

●ニードルのテーパーは、キツイ方が濃く、緩い方は薄く出る。
同様にストレート径は、細い方が濃く、太い方が薄く出る。
症状にもよりますが、エンジン特性、マフラーの性能にあわせたニードルをチョイスします。
PC20、TM24、VM26、PE24・28等ポピュラーなキャブのニードルは、武川、キタコ、デイトナなどから補修パーツとして販売されています。

●最後に全開域。MJの調整です。
これに関しては必ず「濃い方」から調整すること。
あまりにも薄いと最悪「エンジンの焼き付き」を起こす危険があるからです。
MJの領域の調整には、実走行で一定時間全開走行ができる場所と走行時間が必要です。
スロットル全開にしてエンジンの回転上昇がスムーズかつ早いのがベスト。
薄いと回転は伸びますが、パワー感に乏しく息つきをおこす。
逆に濃いと回転の頭打ちが早く、ボコつきます。
プラグの焼けによる診断も一般的ですが、キルスイッチのないカブでは全開走行直後でのプラグチョップ(全開走行時にエンジンを切り、アイドリングさせずに停車させ、高回転直後のプラグ状態を診ること)は難しく、停車するまでに若干かぶって黒くなることが多いと言われます。
また、焼けのチェックには新品プラグ使用が望ましいでしょう。
走行チェックの際もワイヤーブラシ&パーツクリーナーにて、毎回新品のごとく綺麗に清掃する事も必要ですね。

その他の注意点
●キャブを社外品に交換した場合、必要に応じて、専用のマニホールドや吸気ポート加工、段付き補正を必ず行うこと。
段付きが残ったままでは、流速低下や乱気流が起こり、セッティングが困難になるケースもある。
●シビアなセッティングにはタコメーター装着が望ましい。
●「上が・・・・、下が・・・・」と言う言葉を良く聞きますが、実際回転数というよりもスロットルバルブの開度が重要である。
SJ&PJ(全閉〜1/4)、NJ(1/8〜1/2)、JN(1/4〜3/4)、MJ(3/5〜全開)の作用領域を認識してセッティングすること。
●バタフライ式チョークの場合、外すことで効率アップになりますが、チョークが効かなくなる。
●社外品のパワーフィルターやマフラー、カムが原因でセッティングが出ないことがある。
これはパーツの性能と相性の問題なので、「迷ったら元に戻す」ということになるかと思います。

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 3−4 パワーフィルター
カブ系お手軽チューンの第一歩として「パワーフィルターに交換」というのがポピュラーですが、実際はセッティングに苦労したり、ちっともパワーが上がらないという声も多数あります。
純正のエアクリーナーは非常に良く出来ており、吸入効率も高く、全天候対応で1年中セッティングフリーに近い状態なのですから流石です。
カブ90用の純正エアクリーナーボックスは、50用よりも容量が大きいので、これをカブ50に流用する方法もあります。
また、4本の吸入パイプを更に増やして吸入効率を上げるという強者もおります。
しかしながら、少々見栄えが悪いという意見も多く、何とかしたい部分でもあります。
今のところ評判が良いのは「K&N」社製のパワーフィルターに何かしらの「雨よけ加工」(アルミやプラスチックの傘を付ける)といった手法が多く見られます。
JAZZ用の物なら少々デカイですが、K&Nのロゴ入りメッキカバーが付いております(笑)
もちろん交換後は、しっかりとキャブセッティングして下さい。
さらに、いっそ「ファンネル仕様」にしてしまうという方法もありです。
確かに「吹き返す」「ゴミを吸わないか心配」と言う意見もありますが、キャブレターの持つ本来の性能を楽しめ、セッティングの奥深さを知ることが出来ます。
雨の日でも意外と調子よく走れるのは「濡れたパワーフィルター」よりも「ファンネル」だったりするのも事実です。

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 3−5 マニホールド
「3−2 キャブ」の項目と少々重複しますが、効率よく混合気を燃焼室に送るため、キャブとエンジンヘッドの間に「マニホールド」が存在します。
キャブを交換するとそれぞれのキャブ専用のマニホールドが必要になるわけです。
キャブとマニホ、マニホとヘッドの間の合わせ面に「段付き」があると、混合気の流れが乱れ効率よい燃焼が得られません。
そのためにヘッドのINポート径とマニホ径、キャブの径とマニホ径は同じでなければなりません。
また、その長さや太さによっても混合気の流速や流量が変わるので、実はとても重要な部分だったりします。
社外品のキャブを付けるなら、「ただ付けばいい」ではなく、キャブの性能を引き出すために、またセッティングを煮詰めるためにもこだわりたい部分です。
もちろん、ヘッドのポート加工やマニホの内径加工をしてしまうのも良い方法でしょうが、正しく高度な知識や正確な作業技術が要求されます。
各ヘッド(純正50用、90用、社外品)のポート系とキャブに合わせたアフターパーツは沢山存在しますので、ショップ、カタログにてチョイスしてみて下さい。

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 3−6 ハイスロ
カブにハイスロ(スロットルの巻き取り径が大きく、少ないアクセル開度で全開可能)は、不釣り合いかも知れませんが、全開するのにスロットルを握りなおす必要がなく、意外と便利です。
ただ、カブ(カスタム除く)は、ハンドル径が違うためそのまま無加工では付きません。
バーハン化している車両は問題ないのですが、ノーマルハンドルの場合、ハンドル径が違うためパイプの圧入か、アルミ板等を巻くなど何らかの加工が必要になります。
カブ独特の「右ウインカー」ハウジングも加工しなければなりません。
ノーマルのハウジングの中を削り、ハイスロのカラーのみ入れてしまった強者も過去には存在します。
後は工夫と努力でしょうか。
ちなみに、ハイスロを入れた場合ワイヤーも専用に交換しなければいけない場合があります。
あくまでも使用キャブとのマッチングなので、スロットルバルブが引き切れているかどうか、遊びは調節範囲に納まっているか等確認して下さい。

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(4)足周り・制動編

 4−1 タイヤ

スーパーカブにそのまま履かせることの出来るオーバーサイズのタイヤは、フロント2.50−17、リア2.75−17ぐらいが限界でしょう。
それ以上だとフロントはサスを止めている内側のボルト、リアはセンタースタンドに干渉します。
一般的にタイヤサイズが太くなるとフリクションが増大し、動力性能が損なわれて燃費も低下します。
その反面、トラクション・制動能力は向上する方向になります。
それぞれのエンジンの馬力、使用目的に合わせたベストチョイスを心がけてください。
もちろん、カブ50とカブ90では使用リムの太さ設定も違うので、太いタイヤを履きたいときは太いリムに変えるのもお忘れなく。
また、タイヤにはそれぞれ「推奨リム幅」を設けて設計してありますので、注意すること。
その際、バネ下重量軽減の為「アルミリム」に交換するのも有効でしょう。
具体的には、ミシュランM35シリーズの他、ハイグリップタイプやOFFロードタイプ、リトルならTT100など使えるタイヤがあります。
カタログやメーカーHPを参考にチョイスしてみては如何でしょうか。

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 4−2 スプロケット
パワーアップしていくと、各ギアがすぐに吹けきってしまい、どうしてもスプロケの交換が必要になります。
純正でも排気量によって組み合わせが違う様に、「この組み合わせが一番」と言うのではなく、そのエンジンのパワー、ミッション、乗り方、乗り手の好みによって組み合わせが決まります。
とはいえ、スプロケも無限にあるわけではなく、フロントは13丁〜16丁、リアは35丁〜42丁の間で組み合わせを作ることになります。
スーパーカブでの目安としては、
  80cc 程度 ・・・・ F:15 − R:39
  100cc程度 ・・・・ F:16 − R:37
  105cc 〜  ・・・・ F:16 − R:35  といったところでしょうか。
リトルカブの場合はタイヤサイズが14インチと小さいため、また少し変わってきます。
もちろんコレは「目安」なので、あくまでもご自分の好みでセッティングしてみて下さい。

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 4−3 ドライブチェーン
どこのメーカー製でも「420」サイズなら使用できます。
リンク数は使用スプロケによって若干変わるので一概には言えませんが、おおよそ94L〜98L程度の間に収まるようです。
メジャーな所で比較的簡単に手に入るのは「RK」と「DID」のチェーンです。
中でもゴールドやシルバーのメッキ強化タイプは見栄えも良く、耐久性も純正のそれに比べ格段に向上するので、チェーン交換の際は強化チェーンをお勧めします。
ちなみに純正設定のグレードはかなり低い物なので、売値で2〜4,000円程度の物でも相当にアップグレードされます。
最高級グレードでも7〜8,000円程度です。
本格的に速く走りたいならレース用の「415」という更に細いサイズのチェーンに張り替えるのも面白いでしょう。(もちろんスプロケ交換が必要です)
チェーンもフリクションの一つです。
小排気量車の場合、闇雲に太いチェーンへの交換はデチューンになることが多いですね。

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 4−4 リアサスペンション
リアサス = リアサスペンションユニット(スプリング+ダンパー)一式
まず、サスペンションの全長(上下取付穴の間隔)が330〜340mmであることが大前提です。
他車種流用の場合は、小排気量用のものを選んでください。
一概には言えませんが、大・中型車両のものを流用した場合、バネレートや減衰力設定の違いから、かなり乗りにくくなることも考えられます。
サスは衝撃を吸収するだけのものでは無く、タイヤをきちんと路面に接地させて、トラクション(駆動力)を稼いだり、コーナリング時のグリップ力を向上させたりする役割もありますので、前後のバランスが重要です。
ところがフロントのボトムリンク式サスペンション(スプリング+ダンパー)は、東京堂から強化フロントスプリングがリリースされている程度で、ノーマル以外に選択肢がほとんど無い為、リアだけをノーマルから性能的にかけ離れたものにする事は、不自然な操縦バランスに陥ることになるので、注意が必要です。
純正品の流用ではCD用、ドリーム用、CBX125F用、DAX用、100EX用、CT用、NICE用などなど、小排気量の物が色々考えられます。
アフターマーケットでも、このあたりのサイズはモンキーのロングスイングアーム用や、DAX用として豊富に揃っています。
カヤバなら MGS330、MGS330−T、MGR330、SHOWAなら 335mm、他にもキタコ、キジマ、ホワイトパワー、bituboなど各社ラインナップしているようです。

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 4−5 ブレーキ強化
「カブのブレーキは効きが悪い。」
カブ以外の「普通のバイク」に乗ったことのある人なら自然に感じることでしょう。
手っ取り早い強化の方法として、50ccなら90ccのブレーキアームに交換したり、キタコ、デイトナ、ベスラ等からリリースされている社外品のブレーキシューに交換する事です。
作業手順はSMなどを参照して、確実に行って下さい。
ブレーキの分解整備は命に関わる箇所でもありますので、自信のない方は、プロに頼むのが望ましいでしょう。
それでも物足りない方には、現行カブ90用の大径ブレーキパネルに交換してしまう方法があります。
ブレーキレバーをパワーレバーに交換し、ブレーキワイヤーを太い強力な物に交換するといった方法や、リアをスイングアームごと「プレスカブ」の大径ブレーキに交換する(アクスル径が違うため)といった方法もあります。

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(5)電 装 編

 5−1 プラグ&コード&コイル

ノーマルなら純正のそれで実用上は全く問題無いのですが、チューニングしてくると色々試してみたくなるものです。
そこで使えるプラグとなると、以前はNGKのVXプラグ(通称Vプラグ)、スプリットファイヤー等が人気でしたが、最近はDENSOやNGKの「イリジウム」が人気のようです。
純正標準は熱価6番相当のプラグが入っていますが、高回転型にチューニングしたエンジンには7番相当(デンソーの場合IUF22)や、夏場のハードな走りには8番相当(同24)を使う方もいるようです。
プラグキャップやハイテンションコードへの変更もメジャーですが、これも「いきなり体感」と言うものでは無く、小さな事の積み重ね・・・・的チューンだと思います。
それよりも体感できるのはコイル自体の交換。
純正流用では、HONDA系単気筒の場合2スト市販レーサー車である「RS125」用のコイルを使うのがお勧めです。
入手方法ですが、HRCパーツを引ける代理店での発注と言うことになります。
2002年現在は、4,000円程度です。
古くは「雷神コイル」、最近ではキタコからも強化コイルが発売されていますが、「安くて良い品」は断然「RS125コイル」でしょう!

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 5−2 アーシング
車や大型二輪車両では当たり前のアーシング。
果たしてそれ単体で効果が体感できるのかは賛否両論ですが、電気的な効率を考えると「やってみて損はない」と言うところでしょうか。
カブに限らずほとんどの乗り物はボディーをアースとして利用していますが、経年変化による接点の錆や腐食、塗装面などによる電気的ロスが抵抗となってくるのも事実です。
その抵抗を減らすことにより、電気的ロスを解消しようというのが、アーシングの理論です。
点火に対してのアーシングならヘッド周りから直接バッテリーのマイナス端子に「アース線」を自作しバイパスしてやるわけです。
ジェネレータや、レギュレーター、点火コイル、ヘッドライトやホーンまでマイナスからも専用線を引きバッテリーに直結している人もいるようです。
簡単で経費もさほどかからないので色々試してみてはいかがでしょうか。

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 5−3 CDI
古いポイント点火車両以外、ほとんどの車両はCDIによる点火方式が採用されています。
このCDIを交換することで点火タイミングを変更したり、高回転まで回せるようになったり、車種によってはリミッターをカットするといった事が可能になります。
アフターマーケットパーツでカブ用も発売されていますし、カブ90用のそれは特定の回転域で自動進角(カブ50用は固定進角)するようになっています。
他にもタイホンダ製や社外品のモンキーレース用等いろいろな種類があります。
ただ走るということだけならほとんど問題なく適合しますが、「どれが高性能?」かという問題は未だはっきり結論が出ていないのが現状です。

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 5−4 配線の色
配線に慣れていない人だと、何がなんだか解らなく迷子になってしまうこともありますが、慣れてしまえばそんなに難しい事ではありません。
カブの配線は年式によって多少違う部分もありますが大筋基本の変更はありません。

 赤 → 常時流れるプラス線
 黒 → キーONで流れるプラス線
 茶 → エンジン稼動時に流れるプラス線
 緑 → アース(マイナス)線
 水 → 右ウインカー線
 橙 → 左ウインカー線
 白 → ヘッドライト(LO)
 青      → ヘッドライト(HI)
 若葉/赤 → ニュートラルランプ
 緑/黄   → ストップランプ
 灰      → ウインカーリレー
 黒/黄   → パルス(コイル)
 若葉     → ホーン

 

通常、改造等で必要になるのはこのあたりでしょうか。
他にもエンジンとCDIを繋いでいる線やセル用の線、4速インジケーターやフューエルメーター用の線などありますが、あまり触る頻度が少ないと思われますので省いてあります。

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 5−5 ライトが暗い
カブの純正ヘッドライトは12V−30W/30Wです。
バルブのワット数もさることながら、ヘッドライト自体の大きさやレンズカットなどから、確かに少々暗く感じるのも事実です。
ハイワッテージランプに交換するという方法もありますが、熱問題、発電量、レギュレーターの容量等制限があるので、35W前後まででしょうか。
自分で専用線を引き、リレーと専用ヒューズを挟み、効率アップするという方法もひとつなのですが、まずは市販の「高効率ハロゲンバルブ」というものに交換してみましょう。
バルブを変えるだけの簡単チューンながら、結構な効率アップに驚くことでしょう。
カブ軍団でも「ヘッドライトを2灯」にしている方もいるようですが、基本的な供給電力が少ないため「ノーマルより更に暗くなる」との報告も受けております。
他にも社外品でバイク用のハロゲンH4バルブキットが存在します(35/35W程度)が、カプラはもちろん、ライト本体まで交換するほど加工が必要になります。

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 5−6 バッテリーレス化
バッテリーレス化は可能ですし、実際にやっている方もいます。
しかし、本格的にチューニングし、「軽量化」が目的以外ならあまりお勧め出来ません。
キタコからリリースされているバッテリーレスキットや、電気に詳しい人ならコンデンサーを加工して簡単にバッテリーレス化する事は出来るのですが、信号待ちでもアクセル煽っていないとウインカーが点滅しなかったり、キーをONにした瞬間ニュートラルランプがすぐに消えたり、電気式タコメーターの動作不良、最悪は走行中高負荷状態での失火という事もあるようです。
また、電機系に多少の不具合が生じるリスクを伴います。
一般的なパイプフレームの二輪車と違い「スカチューン系」のポイントである「見た目の軽さ」が演出できないのもカブの特徴なのであまりお勧めできなかったりもします。

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(6)外 装 編

 6−1 
自分で塗装は出来る?
この項目はカブに限ったことではなく、一般的な缶スプレーで行う塗装の方法について簡単に記します。
まず塗料ですが、メーカーのホンダからほとんどの純正色は発売されています。
近所のホンダウイング店で取り寄せてもらうことが可能で、色の種類については年式、車種により様々なので「シート下」に貼ってあるカラーコードの記号(G−109とかPB−66など)を参考にして下さい。
作業の大筋の流れは、
  下地作り(サンドペーパー等で塗装面を荒らす) → 脱脂 → サーフェイサー塗装
  → 水研ぎ → 脱脂 → 本塗り(数回) → クリアー(ウレタン2液タイプが理想)
  → (自然乾燥なら最低3日以上乾かして)仕上げ用コンパウンドにて磨き上げとなります。
本塗りの回数、明るい色を綺麗に発色させるための下地「白」塗装、ウレタンの完全硬化時間と温度など注意点はありますが、基本は時間をかけてじっくり作業する事です。

※缶スプレーは作業前に必ず「お湯」等でしっかり暖めてから作業して下さい。
暖めることにより缶の内圧上げて細霧化を促進でき、綺麗に仕上がります。
但し、缶を直接火であぶったり、熱湯などで暖めすぎること危険なので、十分ご注意ください。
缶を素手で持てる範囲であれば問題ないでしょう。

※アルミ部分やマフラー等耐熱部分の塗装は、通常の塗装時とは違った専用の処理が必要になります。

※メッキパーツに着色したいときはメッキを完全に剥離してから作業する必要があります。(手作業だと相当な根気がいる作業)
剥離が難しい場合は、せめて粗めのサンドペーパーなどで足付けしてから、サーフェイサーを吹き、本塗りすると完全ではありませんが、比較的剥げにくい塗装ができるでしょう。

※外装パーツ(フロントカバーやレッグシールド等)で、一見プラスチックに見えるPP(ポリプロピレン)部品は塗装が乗り難く、塗れてもすぐに剥げてしまいます。
基本的には塗れないものと思った方がよいでしょう。

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 6−2 シート
純正のポジションでは少々キツイ、ゆったりタンデムしたい、純正タンデム用ピリオンシートではちょっと、という質問が多いようです。
カブに使えるタンデムシートはいくつかあります。
少し前まではホンダから昔の輸出用カブのダブルシートを注文出来ましたが、現在では製造中止となっています。
社外品ではキタコのセミダブルシートが比較的安価でポピュラーです。
他にもカスタムメーカーから魅力的なシートやタイ製、ベトナム製が沢山発売されています。
結論を言うなら「シートヒンジさえ付けば」どんなシートでも取付可能でしょう。
他車種流用や自転車用(?)、自作もアリだと思います。
色々研究してみるのも楽しいものです。
シート皮の張り替えも比較的簡単に出来ます。
またシート専門店も結構あるので相談してみては如何でしょうか。

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 6−3 バーハン化
バーハン化 = 市販のパイプハンドルが使えるようにカスタムすること。
独特なデザインで、むしろカブのシンボル的な「プレスカバーハンドル」。
しかし、カスタムしていく上で交換したくなるユーザーが多いのもまた事実です。
一言に「バーハン化」といっても、ノーマルのボトムリンク式のフロントフォーク、ブレーキを残す方法と、ステム自身から交換しテレスコピック化(以下、「テレスコ化」)してしまう方法と2種類あります。

●ボトムリンク式
ハンドルASSYを全て外し、ブラケット内にあるトップスレッドナットの上、ステアリングステムナットを外します。
再生不可覚悟で「貫通マイナスドライバーとハンマーで叩く」と言った手法もありますが、あまりお勧めできる方法ではありません。
専用ソケット(30mm)の特殊工具を使うのが望ましいでしょう。
使う頻度が少ない特殊工具なので、なじみのバイク屋に泣きつくのも1つの手でしょうか。
(なんせエアインパクトなら5秒で外せてしまいます)
そこに新たな「トップブリッジ」を付けることになります。
このトップブリッジの自作に関しては経験者もおりますが、かなりの金額(主にハンドツール関係)と手間がかかり、簡単な作業ではありません。
社外パーツとしては、キタコやデイトナからも比較的安価でリリースされていますが、ウインカーやライトが自由にチョイス出来ない等の多少「型にはまった」カスタムになってしまうという声もあります。

●テレスコ式
この方法は更にステム(フロントフォークも含めて)ごと交換してしまい、全く違う足回りに交換してしまうものです。
モンキー系では社外品のフォークやホイールがふんだんに揃っていますが、コレを書いている今日現在ではカブ専用のそれは存在していません。
メジャーな手法としてはCD・ベンリー系の流用でしょう。
ハンドルロック及びハンドルストッパーの加工以外、寸法的には「ポン付け」出来ることから、比較的多くの人がこの方法を使ってテレスコ化している例を見かけます。
ただ、CDのドラムブレーキに不満のユーザーも多く、タイホンダ製NICE110のディスクブレーキ付きのフォークを移植したり(加工はCDと変わらず簡単)、NS50、NS−1の更に強力ディスクを移植するユーザーもいます。
但しこちらは根本的にステムシャフトの長さが足りないため「打ち変え」加工が必要となります。
もちろん圧入や溶接が出来る人以外は、鉄工所や加工屋さんのお世話になることになります。
流用車種に制限はなく、実際YAMAHAのRZ50やTZR、NSR50、CB50、CB125、CD250などなど、加工レベル次第ではチョイスの幅は結構が広いようです。
しかしその場合は、くれぐれも強度には気を使い、専門家の意見も十分に十分に聞いた上で加工に作業に入って下さい。
「たかが原付だが、されど原付」です。

※バーハン化する前に、配線処理、メインキーの移設場所、メーター、ライト、ウインカー等の移設、新設、ハンドルスイッチ選定、ブレーキ、メーター、スロットルワイヤーの延長や取り回し等かなり面倒な作業もあります。
むしろハンドル加工よりも大変で、あきらかに「センス」と「経験」が必要な加工だと感じます。

※自作トップブリッジは材質の選択を慎重に。
普通の具材屋さんにある「アルミ」の多くは「純アルミ」という非常に柔らかいアルミです。
一般的に2輪パーツに使用するならジュラルミンか、それに近い「超硬アルミ」をチョイスしたいところです。
また「鉄」で作る場合にも、相応の厚みは確保したいですし、板状ではなく「リブ補強」の入った形状にするのが望ましいです。
(純正鉄ブリッジをよく見ると回りを丸く強化してあり、裏にリブが入る事が多い)

※「トップスレッドナットが外れない」という質問を良く受けますが、 実際この作業でつまずいてしまうような設備と工具・作業スキルですと、この重要な足回りの交換作業を自分で作業することは諦めた方が良いでしょう。(命に関わる部品でもあるので・・・)
バイク屋か詳しい知人立ち会いでの作業が確実です。

※テレスコ系の締め付け及びフォーク組み立て順序、メンテナンスは、テレスコ車両一般のSMに準じて下さい。

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(7)実 用 編

 7−1 積載力アップ
ポピュラーな積載力アップの方法としては、荷台にボックスを装着するというのが、メジャーな方法です。
大きな荷台のお陰で、カブに付けられるボックスは意外にも沢山あります。
スクーターのようなメットインスペースがないカブにとっては、ボックス装着は実用面でとても使い勝手が良くなるというのが、多くの方の意見のようです。
銀行などのカブがよく付けている黒く塗装された鉄のボックス(通称「銀行ボックス」)は、ホンダアクセスの純正品としても入手可能ですし、汎用品でも販売されていますので販売店に相談してみてください。
大型スクーターなどが付けている着脱可能な樹脂製のBOXもカブには装着可能です。
何よりもの長所は着脱可能なことです。
必要ない時は外しておくことが可能ですので人気があります。
値段も1万円前半から高いもので5万円!なんてものもありますので、予算と好みや装備で決めるのが良いでしょう。
メーカーとしては、GIVI(株式会社デイトナが日本総代理店)や、SHED(南海部品が総代理店)など色々ありますので各ウェブサイトや、実際にバイク用品店でチェックしてみてください。
またボックスのモデルによっては装着ステーが別体ではないものや車種別で専用の物、カブの荷台では適合しない場合もありますので購入時にメーカー・販売店に確認してください。

もうひとつは、バイク便用の汎用BOXです。
MRD松田技術研究所やJRS製品などが多く出回っているようです。
大きさも様々ですがMRDでは、実際に郵政省のカブ(MD)が付けているものも色は違いますが2種類販売されています。
勿論バイク便が使っているものもラインナップされています。
郵便局でも採用されるものですから積載性や耐久性なども信頼できることを考えるとコストパフォーマンスが高いボックスと言えるでしょう。
また、DIY派の方には汎用の用品ボックスなどを荷台に固定するといったことも可能でしょう。
アイリスオーヤマ製のRV−BOXなどは強度もしっかりしていますので、ボックスの底に穴を開けてネジ等で荷台の固定されている場所などを利用して固定するといったやり方も結構多く見受けられます。
この際注意する点は、自分の欲しいサイズを探すことと、やはりボックス自体の強度なども重要になってきますので、この辺は自己判断でお選びください。
ホームセンターなどにはRV−BOX以外にもベランダストッカーのような大きいものも取り扱っている場合も多いので覗いてみて下さい。
収納用BOXを流用された場合は鍵がまずありませんので、南京錠用の穴を加工したりして対応されると良いでしょう。
ここでご紹介したものの他にも沢山の製品があります。
街中にはカブだけではなく色々なBOXを積んだバイクが走っていますので、リアにBOXを積んでいるバイクを参考にしてご自分のお気に入りを探してください。

                                             
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