●カモメC90K2の12V化 第3弾/DAXレポート


皆様、こんにちは、北Q組のDAXです。
平成20年1月のカモメC90K2の12V化、平成20年11月の第2弾に続いて、第3弾としてバッテリー点火からCDI点火への変更が成功しましたので、紹介します。

皆様ご承知のとおり、我カモメは、12V化しています。
その後1年半で12,000Kmも異常なく走行しましたが、平成21年2月の朝倉ミーティングの帰路にて、エンジンを長時間回し過ぎた結果、アイドリング不調となり、翌日には完全に走行不能となってしまいました(泣)。

その原因は、6V用のイグニッションコイルが溶けて、漏電パンクしたと思われます。
やはり12V化には、12V専用のコイルが必要だったのでしょう。
ここで普通は適合するIGコイルと交換修理しますが、臍曲がりの私は、以前から温めていたこの計画を実行する事にしました。

私は10年ほど前からMD90を弄り、2年前その先祖であるCS90系エンジンのカモメC90K2を入手しました。
そのおかげで、両車の進化過程や互換性を知る事になり、色んな検証を楽しんでいます。
MDはフライホイールマグネット式のCDI点火、一方カモメはバッテリー式のポイント点火と、プラグへの点火方式が全く異なります。

しかし両車のヘッド周りは、ほぼ共通なのです。
年式によって吸気バルブステムシールの有無や、シリンダーヘッドガスケット(銅リング)巾の違いはあるものの、カムシャフトは互換性があります。
つまり、カモメのヘッドにMDのパルスジェネレーター・ピックUP部品が無加工で装着可能なのです。

ただこれだけで簡単にCDI点火へ変更できる訳ではありません。
カモメの電装は全波を出すACジェネレーターの発電コイルのみで、CDIに電気を供給するエキサイタコイルが存在しません。

これは困ったと言うか、短絡的に諦めるしかありませんでした。
しかし、最近になって色々な車種の配線図を見比べていると目から鱗が・・・、CDIにも交流用と直流用があることを知りました。
マニュアルにDC−CDIと記されているのが直流のそれで、エキサイタコイルを介さず点火に必要な電源をバッテリーから供給するのです。

さあ、もう理論的には完成したも同然になりましたね。
あとは何用の部品を流用するかの吟味だけです\(^o^)/。


MDの純正CDIは、エキサイタコイルから電源を賄う交流AC−CDIであり、また昔のエンジンによくある、進角をカムシャフト部の機械式ガバナーに任せた単純な固定進角のアナログCDIです。
今回は、MDのパルスジェネと進角ガバナーをそのまま流用し、バッテリーで電気を供給するので、条件としては直流で作動する進角固定のDC−CDIが必要です。
単層全波レクチを探す時にも苦労しましたが、あまりに新しい車種は複雑なブラックBOX化されており、私自身がアナログ人間なので、知識が追い付きません(笑)。

調べたところ、ホンダではH6年頃のスクーターからDC−CDIが登場しています。
まず、DIO−ZX用あたりがシンプルな電装で入手も簡単と考えましたが嫌な予感が・・・・、そう原付の速度リミッターの仕掛けに不安が残ります。
たしかCDI自体にリミッターが組み込まれ、ある回転以上は点火がカットされると記憶しています。
リスクを避けるためこれは却下しました。

さらに調査を二種へと進め、スペイシー125の3型(JF04前期)用を採用しました。
早速Yオクで入手し、あとは組み立てだけとなりました。
いや、もう一つ調べないといけませんでした、IGコイルの適合です。
一口にCDIと言ってもコイルには交流用と直流用の違いはないのか?
ポイント車の場合は明らかに違っていましたよね。

またまた不安になりイメージトレーニングに長く掛かりました。
スクーター系のWEBページで調べると、元がACの車種へDC−CDIを付替えてもコイルはそのままでOKでした。
逆に言えば、CDI用のコイルなら何でも良いのでしょう。今回はフレームに無加工で着くS61年頃のC50用の12V・CDI用IGコイルを使ってみました。


前置きが長くなりましたが、以下に手順を解説します。

@カモメのヘッドからポイント関係の部品、進角ガバナーやベースのケースも撤去する(フレーム内のコンデンサーも不要になります)。
逆の手順でMD用のスパークアドバンサーやパルスジェネレーターを組み付ける。



A入手したスペイシー125用のDC−CDIは寸法が大きく、レイアウトを変更しないとカモメの右側サイドカバー内に収まりません。
以前から装着していたジョルノクレア用の全波レクチを外し、左側サイドカバー内へ移動させ、空いたスペースへCDIを入れました。
配線のカプラーと色の入る順列に注意! 車種によって全く違い同じホンダ用でも異なります。



BIGコイルを交換する。(今回はC50用なので同じ位置に無加工で装着できた。)
  ↓の画像は、上がC90K2ノーマル、下がC50のCDI用です。


C各配線を接続する。
スペイシーCDIから出る5本線のうち、緑/白はサイドスタンドスイッチ用だが、今回は緑といっしょに2本ともアースする。
黒は+電源なのでカモメの赤へ、青/黄はMD用パルスジェネから延長した同色を入れる(パルスから来たもう1本の緑はアース)。
最後の黒/黄はBのIGコイルへ繋ぐ。
↓のマンガを参照して下さい(汗)。


D点火時期の調整、他車種部品の組み合わせなので、フライホイールのFマークは当てにならない。
このパターンでは見掛け上20度以上早めた位置で落ち着いた。



以上で結果的には比較的簡単な工作となり、MD部品は手持ちがあったので数千円の投資で済みました。
一番の利点は、無接点のピックUPになった事により、ポイントの時のように電圧の降下がなくなり、バッテリーの負担が激減しました。

以前は10Vを切るとエンストし再始動も苦労するので節電に努めながら恐る恐る乗っていました。
今は9Vまで下がってもエンストせず再始動も楽々、何とバッテリーを外してもキック時の発電のみで始動可能でした。
これならバッテリー点火でも怖くないです、最高の改良であったと自負できます。

今後の計画としては、CT110BなどもDC−CDI化が可能と思います。
また同じ理屈で遣れそうなフルトランジスタ化かな。
デジタル進角を活かすためには機械式進角ガバナーを殺す工夫が必要でしょうね。

バイクは走ってナンボと考えます。
安心して長距離ツーリングや通勤快速に使えるよう、信頼の出来る仕様を目指しています。

最後に、この作業はあくまでお達者な素人の思いつきで、電気的な専門知識の裏付けはありません。
参考にして頂くのは結構ですが、あくまで自己責任でお願いします。
詳しい方がいらっしゃいましたら、ご指導やご意見をお願い致します。


By DAX


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